本文へスキップ




















English edition
鎌倉に行くとき


東京にいると、海を見に行きたい時、観光したい時、デート、海外から友人を招く時など、様々な目的で鎌倉に行くことになります。古都である鎌倉は神社仏閣のイメージが先行しますが、人が集まるため、いろいろな流行を反映する場所でもあります。
 なかでも小町通りは人で溢れかえり、その折々に合わせて小さな店の中身が入れ替わっています。もちろんずっとあるお店もありますが、特に食べ物は変化を感じます。先日行った時には、焼き小籠包が流行っているのだなと感じました。季節も関係あるのでしょうか。



 一方で、鎌倉においてずっと変わらないのは、その地形でしょう。
 山に囲まれ、海にも面している地形は、かつて鎌倉を政治的な拠点にしました。今その要素はそのまま観光地としての人気を支えています。敵の侵入を阻む地形が、今はたくさんの人が訪れる魅力になるというのは、まさに時代の流れを感じるというものです(といっても、参拝を理由とした観光地化は江戸時代など古くからのもので、戦後は公的な介入もあります)。そのせいか、山を見て、そして海も見るというのが、鎌倉に行くときの私なりの決まりごとになっているのです。



 長年、それなりに行く機会を持つうちに、徐々に土地に対するイメージが変わっていきます。観光地としての顔以外の、他の側面も少しだけ見ることがあります。実質地元の人が通って支えている小さなお店や、文化財を継承していく神社仏閣の役割も感じたりするのです。そういう領域に土足で踏み込むのではなく、ただ観光地として消費するのでもなく、自分の足で気に入った場所を探したり開拓したり、興味が湧いたことを少しずつ調べていくのが、最近の私の楽しみ方になりました。


 かといって、何度も行かないと鎌倉の良さがわからないということではありません。慣れていなくとも、ガイドブックがなくとも、歩いていれば気になるものに必ず出会える、それが古くからの観光地としての力であるように感じます。


 行きやすいので、私も新しい店にもたくさん挑戦してお金を使う時があれば、1人で静かに周辺を見て帰ってくる場合もあり、気負わずその日の気分に合わせて楽しんでいます。そして、殊更にお参りなどしない日でさえも、歴史ある場所ならではの趣を感じます。


 かつて鎌倉時代の武士たちは、戦いの場を晴れの舞台としていたと言います。鎌倉に訪れ、様々な逸話に触れる度、かつてと現在の鎌倉とのギャップを感じつつ、一番の晴れ着を着て敵陣に攻め入る人の姿が、私の中に何度も浮かび上がります。少し寂しい景色を求めてしまうのは、そのせいかもしれません。


 ゆるりと楽しんだ1日を動画にしました。ぜひのぞいてみてください。





2828.tokyo


関連動画での調査地
調査地@:おにぎり処 こんがりや

場所:品川駅エキュート品川 1F Travelers Kitchen内
電話:03-5421-0431
営業時間:月〜土/7:00〜22:00 日・祝/8:00〜20:30
サイト:https://www.ecute.jp/shinagawa/shop/28
説明:焼きおにぎりとおにぎりの専門店。定番のものから、見た目のインパクトが大きい天むす、テレビで紹介された明太高菜マヨなどの変わり種までバリエーション豊かな品揃え。海苔がしっとりしたおにぎりも香ばしい焼きおにぎりも甲乙付け難い美味しさ。

調査地A:鳥麻

場所:品川駅エキュート品川 1F
電話:03-5421-8121
営業時間:月〜土/8:00~22:00(日・祝〜21:00)
サイト:https://www.ecute.jp/shinagawa/shop/3152
説明:焼き鳥と鶏肉のお惣菜、お弁当を購入できる。大皿に積み上げる陳列スタイルに食欲がそそられ、思わず目移りしてしまうお店。焼き鳥はタレや塩にもこだわり、店内厨房で焼いている本格派。

調査地B:イーション

場所:品川駅エキュート品川 1F
電話:03-5421-8015
営業時間:月〜土/8:00~22:00(日・祝〜21:00)
サイト:https://www.ecute.jp/shinagawa/shop/3145
説明:洋風お惣菜を販売。ご飯やパンとセットになったお弁当の他、唐揚げなど単品で購入できるメニューもある。フライにハンバーグ、オムライスなど、所謂日本の洋食屋を思わせるラインナップ。季節に応じて新商品も登場する。

調査地C:コクリコ クレープ店

場所:神奈川県 鎌倉市雪ノ下1-6-4 (小町通り沿い。鎌倉駅より徒歩約5分)
電話:0467-22-7286
営業時間:10:30〜18:00(無休)
説明:50年の歴史を持つクレープ店。イートインとテイクアウトが選択できる。独自の配合によって作られた生地は、外側がさっくりとした食感が特徴の、唯一無二の味。甘いクレープからハムやツナを挟んだものまで様々なメニューがある。人気店のため混雑するが、手際が良いため行列の長さに対して待ち時間は短い。一度は試すべき名店。

調査地D:巽神社

場所:鎌倉市扇ガ谷1-9-7(鎌倉駅から徒歩6分)
説明:801年、鎌倉の葛原岡の地に、坂上田村麻呂が奥津日子神(おきつひこのかみ)
奥津日女神(おきつひめのかみ)、火産霊神( ほむすびのかみ )の三神を迎えて祀ったという神社(遠方にいる神仏の分身、分霊を別の地に移して祀ることを勧請と言い、かつて勧請の際は馬の背に御神体を乗せて運んだという。つまり、坂上田村麻呂が行ったのは勧請ということになる)。その後、1049年に源頼義が社殿の改修を行ったという。現在の位置は移転後だが、いつ移転したかは不明なようだ。

調査地E鶴岡八幡宮

場所:神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-31(JR鎌倉駅東口・江ノ電鎌倉駅から徒歩10分)
説明:源頼朝が、先祖にゆかりがあり、武運の神とされる「八幡神」を祀った。八幡神とは、現在応神天皇を指すが、いつから応神天皇を指したか、その起源を含め不明な点が多い。「神功皇后」(応神天皇の母)、「比売神」(ヒメカミと読み、特定の神というより女神のようなものをさす)もここに祀られている。源頼朝は由比ヶ浜海岸から2kmほどにも及ぶ参道をひくなど、鶴岡八幡宮を中心に考えて街づくりを行なっていった。源頼朝は武士として初めて政権をとった人物で、「武家社会」と言われる仕組みを形成していく。鶴岡八幡宮は「流鏑馬」(馬を走らせ、弓矢で的をうつ)や「放生会」(日本の神、仏に対する信仰が結びついてゆくなかで生まれたもの。殺生を避ける仏教の思想に基づき、鈴虫を自然のなかに放す)など、鎌倉時代に起源を持つ文化を今に伝える行事を多数行なっている。

調査地F鎌倉高校前駅

場所:鎌倉市腰越1-1-25
   江ノ電鎌倉駅からの場合、乗車時間18分 運賃はおとな260円/こども130円
説明:江ノ島電鉄の駅の中で、もっとも海に近づくポイントとして有名。このあたりをモチーフにしたミュージックビデオ、アニメのシーンなども多いことから、多数の人がこの駅周辺で動画を撮影している。

調査地G江ノ島

場所:藤沢市江の島 江ノ電鎌倉駅から乗車の場合、乗車時間は23分
説明:「江ノ島」あるいは「江の島」と表記される。かつては「江島」と書かれていた。島の周囲は4kmほどしかない。周囲から隔たった地形から修行の場とされ、源頼朝が弁財天を祀って以降は参詣も盛んになった。その頃から宿泊施設も多く設けられている。明治以降は横浜を拠点とする外国人の訪問も多くなり、彼らによって海洋生物の研究施設や熱帯植物園も開かれた。面積に比して見所が多いが、「御岩屋道通り」に立ち並ぶ商店を見るだけでもかなり楽しめる。